『現在の経済状況について』ー株価の現状

日本は,バブル崩壊以降,東日本大震災,リーマンショック,新型コロナと巨額な財政投入をし続けてきた。アベノミクスでのデフレ解消を狙ったものでもあったが,実体経済を考えれば,インフレ・円安・国債暴落になってもおかしくない状況である。

しかし,そうなっていないばかりか,日経平均はバブル経済時を超えた値を付けている。それはなぜだろうか? 

その答えは,無形資産に資金が流れ込んでいるからである。無形資産とは,物的な実態が存在しない資産のことで,特許や著作権,ブランドなどの知的財産や,仮想通貨などデジタル上の経済価値を指す。

現状,無形資産は底なし沼のように資金を吸い込み膨張し続けていることから,インフレや国債暴落にならずに済んでいるのである。この構造を理解せず,国債の金利が暴落していないのだから国債増発し続けても良いという,昨今勢いを増している論調は誤っているといわざるを得ない。


円安にならない・国債金利が上がらないというのは,相対的なものであり,日本のファンダメンタルズの絶対的評価によるものではない。主要先進国が軒並み,日本と同様な巨額財政投入をしているため,相対的に円の価値が保たれているに過ぎない。

それに加え,国際金利が上がらないのは,他国よりも国民・企業が増税に耐えられるだけの担税力が,まだまだあると考えられているからである。 

バブルの時,余剰資金は絵画や土地などの有形資産に流れ込み,価格を高騰させた。土地価値は,土地から得られる利益から土地の価値を逆算できるため,土地価格が現実的な価格なのか,バブルであるかどうかを判断することは容易であった。
地価は下がらないという土地神話があったことで,バブルを直視しなかった面々も,さすがに地価の異常に恐れをなす者が増えたことで,バブルは崩壊したのである。 

現在高騰している無形資産では,実体経済に即したものなのかバブルなのか判断が難しい。それがこれまでと異なる点だ。
仮想通貨などは,実際に使える価値をはるかに超える価格となっているため,完全にバブルである。電気自動車のテスラ社の株価も実態を大きく超えた価格であり,バブルといえるだろう。 他方,GAFAMの株価が適正であるかとなると,判断は難しい。ただ,バブル感は否めないことは,いうまでもない。


’90年代のバブルや,その後のミニバブルが,インフレを伴わずに進行していたことを思い返せば,今回も同様の現象であることがわかる。資金の流入先が,時代によって変わっているにすぎないのだ。


毎回,バブルがはじけるまで,好景気と今宵の春を謳歌し,バブルがはじけて大騒ぎする。

今回はもう一つ,違いがある。それはアベノミクスにより,公的年金の資金が株へ流入していることと,日本銀行の国際買取が無制限に行われているという点だ。

これが株価を底上げし,バブルの崩壊を御上が抑制してくれるという安心感になっている。
ただ,世界の資金の流れが変われば,日本政府といえども価格の維持はできない。ここのところを,十分に認識しておきたいところだ。 

マム・サポーター
  コーチ,心理カウンセラー
  フィナンシャルプランナー
  天空 流星

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