子供,特に幼児は,とにかく寝相が悪い。布団を掛けても蹴とばしすし,布団からはみ出して動き回る。パジャマは肌け,壁や家具に張り付いていたりする。まさに夜の運動会である。
布団も掛けず,お腹を出して寝ていれば,風邪をひかないか,寒くないかと,親はせっせとパジャマの上着をズボンの中にしまい,布団に戻し,布団をしっかり掛けて暖かくして寝かせてあげることになる。
ところで,子供はなぜ布団を蹴とばし,パジャマが肌けるほど激しく動くのだろうか?単に寝相が悪いのだろうか?
いや,そういう訳ではない。簡単なことだ。それは暑いからである。
そう,子供は寝ているとき体温が上がって暑くなるのである。
子供がポカポカ暖かいことは,肌で感じてご存じだろう。寒い冬も汗をかいて寝ていることがあるし,乳児は万歳して手を外に出して寝ている。
子供と添い寝することは,寒がりのママにとっては暖かくて気持ちが良い。しかし,暑がりのパパには,暑くて一緒に寝るのも辛かったりする。
こんなにも証拠があるのに,子供が暑がっていることには気付かない。自分が寒いものだから,まさか暑がっていとは思わないのである。
「えっ,寝れば寒くなるんじゃない?」って思うでしょう?でも,大人と子供では事情が異なるのだ。
子供は寝るとき,大量の成長ホルモンが分泌される。逆に,成長ホルモンが分泌されると眠くなる。成長ホルモンが分泌されると体温が上昇し,暑くなるのだ。
それに伴って,布団なんて暑くて掛けていられなくなるのだ。だから蹴とばしたり,這い出てきたりする。それでも暑さが収まらなければ,パジャマも肌ける。冷たい壁や家具を触って放熱しようと,夜な夜なさまよう。
なので,子供が布団の外で暑そうにしているときは,手足に布団を掛けてはいけない。
放熱がうまくできないと,睡眠の質が低下して,成長を止めてしまう。丸まって寒そうにしているときのみ,布団を掛けてあげるのが良いのである。
同じ理由で,腹巻や靴下なども着せない方が良い。
寝付くときに既に成長ホルモンの分泌が始まっていて,暑くて寝付けないことがある。
それにも関わらず,布団を掛けて寝させようとするものだから,逆効果で余計に眠れない。寝つきの悪い子供の原因には,こんなパターンもあるのだ。
子供が暑がっているときは,手に冷たいものを持たせ(常温の水が入ったペットボトルなど),足には布団を掛けず,放熱を手助けしてあげるとよい。
眠りに就くのは,深部体温が低下しだすとき。深部体温の熱を逃がすのが手足だから手足からの放熱を手助けしてあげればよい。
また,寝起きが悪いのも,成長ホルモンが影響していることがある。体内時計が狂っていたり,身体が朝と認識していないと成長ホルモンの分泌が止まらず,起きられないことがある。
そんな時は,部屋を明るくして,ラジオやテレビなどの会話を穏やかに流しておく(ボリュームを大きくする必要はない。できれば笑い声があるものが良い)。すると,明るさや賑(にぎ)やかさから,身体が朝であることを認識する。
眠りが浅くなったタイミングで,脳が音声を認識しはじめ,言葉を解析するために覚醒が進む。そうなると自然に身体が起きる準備を始めるのである。
流れている音声が楽しい会話だったりすれば,会話に対する関心が高まり,気持ちよく覚醒できる。笑い声が気になって,眠れない経験は誰にでもあることだろう。
この覚醒方法は,大人にも使えるので,お試しである。
マム・サポーター
コーチ,心理カウンセラー
天空 流星
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