【子育てにおける食】味覚が鋭いこどものうちに本物の味を教えましょう!~味覚のピークは12歳くらいです~

目次

はじめに~子育て中のあなたの味覚は大丈夫ですか?~

こんにちは。

日本茶インストラクターの佐藤公平と申します。

今回は、食についてのブログ、とくに、子育てにおける食について、こどもの頃の味覚について、こどもに「本物」の味を教え、覚えてもらいましょう!ということについて書いていきたいと思います。

こどもに食べ物を食べさせるのは、子育て中のあなた、そして周りの大人たちですよね。でも、こどもに食べ物の味を教えるときに、あなたや周りの大人たちが本物の味を知らない、分からないとしたらどうでしょうか?こどもに本物の味を教えられないことになりますね。

実は、今の子育て世代であるあなたも、そして多くの周りの大人たちも、自分がこどもだった時代に、加工食品などをたくさん食べ、その味で育っているため、本物の味を知らない、分からない、そして、味覚もあいまいだということが結構あるのです。

そのため、自分だけが本物の味を知らなくて、こどもに本物の味を教え、こどもの味覚を鍛えることができないなどと悩むことはありません。そのお悩みは、現代社会における子育て世代に共通する悩みなのですから。

今回のお話が、そのようなお悩みを解決するのに少しでも役に立つことができればうれしいです。

冒頭クイズ~日本で食を話題にするときに知っておいていただきたい写真~

まずはじめに、食について話題にするときに、ぜひとも知っておいていただきたいと私が考える写真がありますので、ここでご覧ください。

これは、私たちにとってとても身近な植物の花の写真です。何の花かお分かりになりますでしょうか?ご存じの方がいらっしゃるとは思いますが、結構ご存じない方も多いと思います。

さて、その答えは何かといいますと・・・

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🌼

ここではまだ言いません!

このブログの記事の中のどこかに、その答えを入れ込みたいと思いますので、どうぞ楽しみに読み進めてみてくださいね。(ヒントは、食べ物の花だということです。)

新型コロナウイルスの味覚障害について

さて、味覚の話題と聞いて、2021年現在真っ先に思い浮かべるのが、世界中で猛威を振るい、日本でも毎日の生活で必ずと言っていいほど目にし、耳にする「新型コロナウイルス」のことかもしれませんね。このウイルスに感染すると、症状の一つとして、味覚を感じなくなる(いわゆる「味覚障害」)といいます。しかし、どのようなことでこの味覚障害が起こるのか、残念ながらそのメカニズムはまだ解明されていないそうです。

話が脇道にそれてしまいましたが、時事的な話題なので入れておきました。

味覚とはどういうものでしょうか?

それでは、そもそも味覚というものがどのようなものなのかをみていくことにしましょう。詳しく説明すると複雑になってしまうので、簡単にまとめていうと次のようになります。

味覚を感じるセンサーは、舌や上あご、のどなどにある、味蕾(みらい)という器官です。この味蕾で食べ物の味をキャッチして、それが電気信号として神経を経由し、脳に伝わることによって、脳が味覚として認識するという仕組みとなっています。

味覚のピークは12歳くらいです

実は、この味蕾という器官ですが、12歳くらいで発達のピークを迎えて、その後は徐々に減少していくというのです。人生100年ともいわれる現代において、実に、小学校を卒業するくらいが味覚を感受する最高の時期だということができます。残りの88年は味覚は低下していくともいえますね・・・。このことから、なるべく小さいこどものうちに味覚を鍛えておく必要があるということがいえます。

こどもの味覚についての研究結果

ここで、気になる研究結果をご紹介しましょう。東京医科歯科大学の研究グループが、2012年に、埼玉県の小中学生を対象に行った実験の結果です。

名古屋市にある歯科医院さんのホームページに、この研究結果が分かりやすくまとまっていたので、そこから引用します。

東京医科歯科大学の研究グループは、2012年に埼玉県内の小学1年生から中学2年生までの計349人を対象として「酸味」「塩み」など基本となる4つの味覚を認識できるかどうかの調査を行いました。

その結果として、全体のうち下記のような割合で認識することができない子どもがいることが明らかになりました。

「酸味」21%

「塩味」14%

「甘味」6%

「苦み」6%

また、複数の味覚について認識できない子どもも含めて、いずれかの味覚について認識することができない子どもは107人と全体の31%にのぼりました。

研究グループによると味覚を正確に認識できない子どもの特徴として、毎日ジュースを飲んでいる、野菜の摂取不足、ファーストフードを好むなどの傾向が見られたとし、因果関係ははっきりしないもののこうした生活習慣がこのような結果に繋がっている可能性があると指摘しています。

日本小児歯科学会も子どもの味覚の発達のためには様々な食材を食べる必要があることを指摘しています。

(Uクリニック竹内歯科のホームページより抜粋して引用。http://uclinic-blog.com/2014/10/3020141020-gredo.html

この研究に対して疑義を唱える専門家もいることは事実なのですが、現代の食生活においては、100%間違った結果とは言えないと思います。

そして、この研究が行われたのは、約10年前です。そのころ10歳だった小学生は、今ではそろそろ子育てに入る世代だということができます。つまり、この研究の結果は、今の子育て世代、そして、これからしばらくの間の子育て世代の約30%が、認識できない味覚があるということを示しているのです。

5つの味覚について

この研究で使ったのは、4つの味覚ですが、一般的には、味覚は5つあるとされています。「五味」と呼ばれるその5つの味覚について、表にしてみます。

甘味エネルギー源になる「糖分」の存在を知らせるシグナルとなる味。
塩味血液などの体液のバランスを取るために必要な「ミネラル」の存在を知らせるシグナルとなる味。
旨味体をつくるタンパク質(アミノ酸)の存在を知らせるシグナルとなる味。
酸味腐ったものなどを食べたときに感じる味なので、危険信号として受け止められやすい味。
苦味毒があるものの多くが苦いので、危険を感じる味。
(辛味)国によっては、五味に、旨味の代わりに辛味を入れるところもある。

上の3つの味覚「甘味」「塩味」「旨味」は、人間が生きていくうえで不可欠な栄養素を見抜くシグナルとなるもので、本能的に好む味とされており、この3つの成分は母乳にも含まれています。

「酸味」「苦味」は、腐敗や毒を感知するためのものなので、食事でたくさんの経験を積むことによって好きになっていく味です。

味覚を感じにくくする食べ物

この5つの味覚ですが、こどもの頃に味の濃い食べものに慣れることによって、感じにくくなってしまうというのです。その結果が上に引用した東京医科歯科大学の研究結果だということもできると思います。

その、味覚を感じにくくする食べ物というのが、人工的に「アミノ酸等」を添加した食べ物や、「たんぱく加水分解物」を添加した食べ物(主に「ジャンクフード」と呼ばれるもの等)なのです。

しかし、どうでしょうか。現代では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで簡単に手に入る食べ物(加工食品)には、必ずと言っていいほど、「アミノ酸等」や「たんぱく加水分解物」が使われているというのが実情です。これらの食べ物を味の基本として身につけてしまわないうちに、子育てをする際、こども達には「本物」の味を教え、身につけておいてほしいのです。

このあたりのお話について、比較的短く、分かりやすくまとまっているYouTube動画がありましたので、ご紹介いたします。

こどもに本物の味を教えましょう!

「本物」というものは、どのようなものを指していうのかというと、難しいところではあるのですが、私は、「素材本来の味が分かるもの」が「本物」なのではないかと考えます。

私たち人類は、太古の昔から、狩猟採集によって得た物を食べ、そして、栽培作物を食べることによって、つまりは、他の生物の命をいただくことによって、自分たちの命を保ってきました。過度な味付けということはしていませんでした。

化学的な味付けをした食べ物や調味料が普通に出回るようになったのは、100年の歴史があるかないかくらいのものです。化学的なものの入った食べ物を完全に避けて生活することが難しい現代社会という事情もありますし、私は、そうした食べ物を、「危ない!」「危険だ!」というように、そのことだけをもって不安をあおりたいと考えているわけではありません。あくまでも、子育てをするときの食べ物選びのひとつの基準としてほしいという意味で考えています。

長い人類の歴史をみれば、食べ物に苦労してきた先輩方が、いろいろと試行錯誤を繰り返した結果、現代のようにお手軽簡単に栄養を摂ることができる食べ物がたくさん出てきたと思うので、そのこと自体を否定する気もありません。そして、私もファストフード、ジャンクフード、食品添加物の入った食べ物なども普通に食べます。ただ、いざ、こども達に、「好きな食べ物は何ですか?」と聞いたときに、「コンビニ弁当!」や「スナック菓子!」などという答えが返ってくることがあるかもしれないと想像すると、とても残念な気がしてなりません。

やはり、こども達には、「本物」の食べ物を食べてもらって、その味の美味しさをしっかりと記憶に残してもらうことが必要なのではないかと感じます。

そしてそのためには、やはり同じく濃い味の食べ物に慣れてしまっている、子育て世代でもあるまわりの大人たちが、「本物」の味を学び、知ることもまた大事なのです。

私の好きな食べ物

それでは、そんなことを言っているあなたの好きな食べ物は何なのか?と思われると思います。私が、「あなたが好きな食べ物は?」と聞かれれば、迷わず、「かまどで蒸かした(ふかした)もち米!」と答えます。

せいろの中で蒸け(ふけ)あがって味見をするときのもち米。

私は、主に祖父母に育てられたと感じています。大正生まれの祖父母は、いわゆる「ハレ」の日を特別なものとして大切にしていたように感じます。食べ物でいうと、私の記憶に特に強く残っているのが、神社のお祭りのときに作る蒸かし(赤飯)と、正月用に備えて年末に搗く餅です。それらを作るときに、かまどで蒸かしたもち米の味は格別でした。「シンプルイズベスト」というのはこういうもののことを言うのでしょう。調味料も一切使わない、米だけ(素材だけ)の味です。これが最高に美味しいのです!

誰よりも早く味見をしたくて、10歳になったかならないかの頃からかまどに火を焚く手伝いを始めました。それから25年くらい経ちましたが、いまだに蒸かしたもち米以上に美味しい食べ物を食べたことはありません。高級なコース料理や懐石料理なども美味しいとは思うのですが、私の中では、何の味付けもしていない、米の味だけである「かまどで蒸かしたもち米」を超えることはできません。

かまどでもち米を蒸かしているところ。

五感で味を感じるということも良いのかもしれません。かまどに火を焚く時の木が燃える香りと音、火の色、釜の中でお湯が沸いてくる音、そして蒸けてきて息が上がり始まった時の香り、味見をするときに熱いせいろのふたを開けて出てくる激しい湯気、熱く蒸けあがったもち米を手に取ったときの感触・・・これらの全てが要因となってより美味しさを強く感じるのかもしれません。


餅つき風景。

ぜひとも、子育世代の方々には、このような「本物」といえる「素材本来の味」を身をもって感じていただき、それを、味覚が鋭いうちのこども達に教えてほしいと思うのです。

さて、このあたりで、冒頭のクイズの答えをお伝えすることにいたしましょう。

あの花は、私の好きな米の、田んぼでの姿、「稲の花」なのです。夏に数日間しか咲かないため、米の栽培をしていないとなかなか見る機会がなく、分からないかもしれないですね。しかし、米を主食とする日本民族にはぜひとも知っておいていただきたいと思い、掲載しました。

冒頭の写真は、この写真の花の部分を拡大したものです。このくらいの距離で見ると、稲穂であることが分かると思います。

本物の味を教えるにあたって日本茶インストラクターの私にできること

さて、こども達に「本物」の味を教え、伝えていくにあたって、それぞれに役割があると思うのですが、日本茶インストラクターである私にできることは、やはりお茶の味を伝えることなのです。

みなさんは「お茶」と聞いてどのようなものを思い浮かべますか?今では急須と茶葉を使って淹れるものよりも、ペットボトルで消費されるほうが多いので、ペットボトル入りの緑茶をイメージされる方も多いかもしれません。あれもお茶には違いないのですが、大抵の物には、酸化防止剤としてビタミンCが添加されているのです。味覚を損なうような添加物ではありませんし、危険なものではありませんが、私が上でお話したような「本物」ではないということになります。そのため、こども達にも、まわりの大人たちにも、ペットボトルのお茶の味を、お茶の味の「基本」として身につけてほしくはないのです。

ペットボトルのお茶はキャップをひねれば簡単に飲むことができるというのは良いところですが、急須と茶葉を使って淹れたお茶とは全くもって味も香りも異なるものです。これを機会に、「本物」である、急須と茶葉で入れたお茶、茶筅で点てた抹茶を味わい、その味覚を身につけてみてはいかがでしょうか。

講座で皆さまにお会いできることを楽しみにしております。

京都、宇治の上質な玉露
京都、宇治の上質な抹茶

さいごに~知識も必要ですが、智慧も大切に!~

今の日本の学校教育では、主に受験に向けて知識を詰め込むという方針が取られています。確かに、人間には知識も必要です。しかし、人類は、長い歴史の中で、さまざまな智慧を得ることによって生きてきました。今後の教育においては、知識の詰め込みばかりに偏ることなく、そのような智慧を育むような教育が注目されてくるような気がしてなりません。そのような考えもあり、この度、このマムサポートの「こども智慧塾」「マムクラブ」で講座を立ち上げることにいたしました。

講座のご案内

講座については、こちらのページをご覧ください。https://mamusupport.com/introduce/japanese-tea/

https://mamusupport.com/introduce/japanese-tea/

講師の紹介は、こちらのページをご覧ください。

マムサポートについて

今回は、子育ての中でも、食について、こどもの味覚について、こどもに「本物」の味を教えて覚えてもらいましょう!というブログを書きましたが、子育てのお悩みは、食についてのことに限らず、さまざまなお悩みが出てくるのが当たり前です。

当マムサポートカウンセラーの丸山裕代さんがブログでお伝えしている通り、ひとりで子育てしなければならないという考えにとらわれず、サポーターを増やしましょう。

丸山裕代さんのブログはこちらです。https://mamusupport.com/2021/01/25/maruyama/

https://mamusupport.com/2021/01/25/maruyama/

当マムサポートには、あなたをサポートするカウンセラーや各専門家が多数在籍しております。お問い合わせは無料ですので、どうぞご遠慮なくあなたのお悩みをマムサポート事務局までお問い合わせください。

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